クラフトマンシップ

ケアウィルは、ユーザーと共に、介護・リハビリ・医療の従事者、デザイナー、服の作り手(パタンナー、個人縫製者、工場)といった各領域のプロフェッショナルが「服の不自由」という共通の課題を解決するために協働し、ものづくりを行っています。

ディレクター

笈沼清紀 プロジェクト代表

1981年生まれ。株式会社ケアウィル代表取締役。学習院大学経済学部経済学科卒、Hult International Business School MBA(経営学修士)。新卒で日本総研にてITコンサルティング、SMBC日興証券にてM&Aアドバイザリーに従事し、楽天に入社。ケンコーコムへ出向、執行役員として事業マネジメントに従事。その後は、ジンズ執行役員として経営企画、事業開発を管掌、KDDI革新担当部長としてEコマース戦略立案・実行に従事。マネジメントの傍ら、父とともに認知症による13カ月間の入院、5年の介護、20年の闘病の日々を過ごす。そこで提供された商品・サービスに違和感を抱き、父の死後、デザインと機能を兼ね備えたケア衣料の開発を服飾講師である母と開始。2019年9月(株)ケアウィル設立。
プロフィール詳細

岩城裕子 コーポレートディレクター

株式会社ケアウィル取締役。トレーダー。学習院大学経済学研究科博士後期課程修了後、日本政策投資銀行入行。M&A・産業分析を主に研究を行う。2008年に三菱UFJ投信(当時)に移り、新興国・米国・豪州調査、バランス型ファンドアロケーションおよびハウスビュー策定、営業支援業務に従事。2015年、みずほ証券入社後、チーフ外債ストラテジストとして顧客向けレポート執筆、講演を行う。マスコミ向け寄稿多数。超多忙な日々を過ごす中で、心身ともにバランスが取れた生活へシフトすべくサラリーマンを卒業。現在、自宅での日本株、米株、為替トレードと並行して、(株)ケアウィル代表・笈沼(夫)とともに、服の不自由を解消する「モノ・サービス」を全世界の方に提供すべく奮闘中。

長嶋りかこ アートディレクター/グラフィックデザイナー

1980年生まれ。デザイン事務所village®代表、グラフィックデザイナー。アイデンティティデザイン、ウェブデザイン、ブックデザイン、空間構成、サイン計画など、グラフィックデザインを基軸とした活動を行う。 これまでの仕事に「札幌国際芸術祭”都市と自然”」(2014)、「東北ユースオーケストラ」(2016-)、「堂島ビエンナーレ」(2019)、ポーラ美術館のVI計画(2020)、廃棄生地のみを再利用した展示空間デザイン「DESCENTE BLANC exhibithion」(2018)、廃プラスチックボトルを再利用したテキスタイルデザイン「Scrap_CMYK」(2019)など。2021年度ヴェネチア・ビエンナーレでは国際建築展日本館にてデザインを担当。

藤本幸三 コーポレート・アドバイザー/アーティスティック・ダイレクター

2001年-2013年 エルメスジャポン株式会社コミュニケーション・CRM担当執行役員 アーティスティック・ダイレクター
2013年-2016年 株式会社アニエス・ベージャパン代表取締役社長
2016年- ジンズ・ホールディングス顧問

坪田康佑 リサーチディレクター/看護師

1982年生まれ。一般社団法人医療振興会代表理事。国際医療福祉大学保健医療学博士課程。IoMT学会評議員。慶應義塾大学看護医療学部卒業、米国Canisius College MBA、NEC社会起業塾、ETIC社会起業塾、慶應ビジネスコンテスト受賞(2012)、Chivas Venture Japan Finalist(2018) これまでの仕事に、無医地区に診療所開設、無訪問看護地区に訪問看護ステーション開業、訪問看護ステーションや診療所の事業継承がある。また、日本男性看護師会発起人。
資格:看護師・保健師・第二種養護教諭・船舶衛生管理者免許・メディカルコーチ・JMAA認定M&Aアドバイザー・第一種衛生管理者など。
看護管理者のためのコーチング実践ガイド 医歯薬出版

久保一樹 リサーチャー/理学療法士

1992年生まれ。認定理学療法士(運動器・介護予防)。修士(理学療法学)。医療法人三省会 堀江病院で、様々な疾患の患者様のリハビリに関わる。また、高校サッカー部のトレーナーとして、競技復帰のリハビリや集団に対するトレーニングを実施。
教育活動として療法士のキャリア開発や社会人基礎力向上を目的とした学習機会の提供を行っており、大学では臨床に基づいた視点から講義を行った経験もあり。
また、出身大学に研究員として在籍し、臨床課題を解決する研究に取り組む。
これまで上肢の麻痺や外傷後の患者様から、衣服に関する不自由の声を聞いており、解決方法を模索中。現在、ケアウィルではこれまで行われていなかったリハビリ学と被服学を組み合わせた新規領域で研究を行う。

ネーミング&VIデザイン

ネーミングについて

代表・笈沼の父は介護施設で5年間、認知症を発症し精神病棟で13か月間入院して息を引き取りました。そこには、病気で意識が薄らぐ中においても「生きたい」という父の ”意思” が確かに存在していました。2020年2月、笈沼は服飾講師である母とともにケア衣料の事業を開始しました。ブランド名carewill―ケアウィルはcare + will。相手を気遣うことや介護・看護を意味する ”care"と共に「自ら着たい、選びたい、着て人と会いたい」という着用者の意思 ”will”を第一に尊重しようという思いが、そこには込められています。

VI デザインについて

当事者の動きやすさや着やすさを重視するcarewillのケア衣料は、当事者の“服の不自由“を解決するため適切に機能して“ワーク“することを目指しています。VI計画を考えるにあたって、私たちはこの服の存在を「ワークウエア」であると解釈し、視覚言語を設計しました。ロゴタイプをステンシル書体に仕立てているのは、ステンシルプレートが工業利用だけでなく、個人が自作で工夫して利用するようなものづくりの現場も想起させる存在であることから、笈沼親子が家族の状況をきっかけに始めた服作りのクラフトマンシップや、同じく家族の病痛にあわせ服を工夫して手作りする無数のホームケアラー達のクラフトマンシップを投影したためです。ブランドカラーは福祉や医療・介護らしさを感じる色合いではなく、クラフト感とワーク感のある深緑色にしています。carewillのケア衣料のデザインにおいては、ケア衣料を必要としている人もそうでない人も着られる服であることは大切なポイントなのですが、そのことと同じように、カラーリングやロゴタイプや様々なビジュアルにおいても、「当事者と当事者でない者」、「家と外(医療・介護施設など)」、「日常と非日常」の境目を滲ませることを目指し、視覚言語を設計しています。